弊社のパートナーであるPaypal様と、一般社団法人ジャパンEコーマースコンサルト協会様より、「中小企業向け2016年EC戦略白書」という資料が配付されています。
全国2万人から寄せられたアンケート結果をもとにした、大変興味深い内容が盛りだくさんの34ページにわたるPDFなのですが、その中で重要と考えられる内容と、また長くECサイトに関わってきた私個人の私見とまた弊社の強みである海外標準の先進的なECサイトのあり方を記載したいと思います。
どんなECサイトで購入しているのか
まずざっくり、モール型のECと大手の単独店舗のEC、そして最も多い中小規模のECサイトで、直近1年以内に商品を購入したことがあるサイトのアンケート結果は以下であると述べられています。
- モール型ECサイト(Amazon・楽天市場・Yahoo!ショッピングが87%を占める) - 87.0%
- 大手ECサイト(女性計57.5% > 男性計38.7%)- 45.2%
- 中小ECサイト(女性計9.5% > 男性計6.2%) - 7.3%
このように大半はモール型のECか大手の名が通った企業の運営するサイト、もしくはサイト名が著名なサイトで購入されていることが顕著です。
モール・大手サイトで購入する6つの動機
それではなぜ、そこ傾向が生じているかの原因についてもアンケート結果が記されており、
- 商品数が多い
- すでにアカウントを持っている
- 使い慣れている
- 有名
- 普段使っている決済が利用可能
- ポイントサービスがある
こういった理由が占めているようです。特にすでにアカウントを持っている、商品が多い、の2つが際立って多い状態です。
決済が、というのはPaypalさんが絡んでいるからねじ込んだのか?と思ったのですが、実際の数字を見ても確かに気にされることが多いようなので意外ですね。
クレジットカードではなく、各社の電子マネーなど日本独自の決済が人気があるのかもしれませんね。
中小ECサイトで購入しない6つの主な理由
それはもう、モールや大手の反対であることがもちろん理由なのはわかるのですが、中小ECサイトならではの理由がいくつか挙げられています。
- 運営会社の名前を知らない - 44.5%(うっ、って感じですね、、、)
- アカウントを作るのがめんどくさい - 34.4%(特にスマホなんてほんと面倒ですね)
- 商品ラインナップが少ない - 25.6%(サイトの特性にもよると思います。1商品で莫大な売上を上げる健康食品系もご存知ですよね。)
- セキュリティが不安 - 17.5%(EC-Cubeで漏れたんでしょうかね、、、)
- メルマガがうざい- 9.8%(私個人としてはそのお店でしか買えない興味がある商品ならいいのですが、どこでも買えるものを並べてるだけのお店のメールって要らないんですよね。)
- 普段使っている決済方法が使えない - 9.6%(これは・・・)
いかがでしょうか。
中小ECサイトが取るべき対策
運営会社の名前を知らないというのはもうどうしようもないですが、独自商品・オリジナル商品を小さなマーケットに向けて販売している店舗であれば、その界隈の中だけで知られていれば十分だったりもします。またよくいう一つ一つの積み重ねが・・・みたいな話ですので割愛します。
一方、今すぐ可能な対策ですが、弊社の考える対策も含め、
- アカウントを作るのがめんどくさい => または購入フローの中で会員登録しなくても購入可能なゲストによる決済フローを設ける。FacebookやGoogle+、Twitterなどのソーシャルアカウントでのログインなどを用いて可能なかぎり簡略化。
- セキュリティが不安 => スクラッチや利用者の少ないECサイトパッケージなどを避け、なるべくユーザの甥パッケージを採用するなどを検討。国内シェアが高いEC-Cubeもよく漏れてます。
- メルマガがうざい - メルマガ登録を必須としない
- 普段使っている決済方法が使えない => 顧客層を見つめ直し、決済代行会社乗り換えも視野に入れ、利用可能な決済サービスのラインナップを調整する。例えば中国向けサイトであれば銀聯( UnionPay)やWeChat決済、Alipayを導入するなど。
といったところでしょうか。
ここで強く書かれているのが、会員登録やポイント、メルマガによる囲い込み戦略がこれまでのマーケティングの主軸であったのですが、それはECの運営側と利用者側の意識が大きく離れていることがわかり、日本国内のTop25サイト中21サイトが会員登録が必須であることに対し、アメリカ国内のTop100サイトでは、74サイトがゲスト購入可能な仕様になっているところなどは大変興味深いところです。
世界標準のECプラットフォームであるMagentoの採用がアメリカでは多く、またMagentoがもとよりゲスト購入を実装していることが必要の原因位なっていることは間違いないと思います。またこれらの対策をMagentoでは当然簡単に実装できることもお伝えしておかなければなりませんね。
NECが負けWindowsが勝った、ガラケーが負けスマホが勝った、IT関係では例外なく起きるこの流れを見れば、これからは日本もEC-CubeではなくMagentoが中心的なECプラットフォームになっていくことは自然の流れなのだと思います。
なので私ははっきり言っちゃいますと、中小規模でECサイトを営まれるのであれば、Magentoが唯一の選択肢に違いないと思っています。それ以外の選択肢では利用者の数によるセキュリティ対策の経験の差はありますし、ぶっちゃけ金かかりますよ。何かしようと思ってもいちいち開発とかになりますからね。その点Magentoはすでにその周辺で追加機能になるエクステンションが数千種も公開されていますから、弊社も開発することはありますが大半のニーズはエクステンションで解決しちゃいますし、まだみなさんの知らないものすごいアプローチを実現することだってできます。
スマートフォン・タブレットなどモバイル端末の傾向
やはりスマホやタブレットなどのモバイル端末からのアクセスが多いことが挙げられています。
特に男性20代=37.5%、⼥性20代=65.2%といった形で若い層、特に女性はPCではなくスマホかタブレットでの購入経験が非常に多くなっています。
しかしその一方で、アクセス数に対しての転換率(コンバージョン率)が低いという傾向も顕著なようで、レスポンシブが謳われながらもまだまだ過渡期なのではないかとも考えるところです。
スマートフォン・タブレットのカゴ落ちの主な5つの理由
コンバージョンしない、つまりカゴ落ちの具体的な理由ですが、
- そもそもモバイル対応せずPCの画面がまま表示される。
- 文字が小さすぎる、レスポンシブは結局PCの情報をままたてながにするだけなので情報量が多すぎる。(スクロールも長くてだるいってこともあるんじゃないかと思います)
- 購入ステップが複雑。(PCトフローは一緒なのでしょうがモバイルだと面倒に感じるんでしょうね)
- 入力フォームのエラーがわかりにくい。(これはエラーが出た箇所にグインと飛んだり飛ばなかったりみたいなところでイライラが発生するのかもです。各サイトバラバラでしょうからね)
- ボタンや画像、バナーがモバイル用のサイズになっていない。(小さすぎるボタンありますね。あとどこにあるのかわかりにくいというのもあると思います。)
資料中はデジタルウォレット決済やID決済を用いることで決済フローを簡略化することとあるのですが、それも確かに幾らかの改善になると思いますが、弊社はあえてこう言います。アプリを作ることこそが抜本的な解決です。
専用アプリを作れば全てが最適化されるほか、コンテンツ全てをサーバーからダウンロードするわけでないため処理も高速化されます。今の回線契約は容量制限があるので、なおのこと余計なデータまで落とさなくていいということもきにする人もきっといます。
モバイルECアプリが全ての答え
はい、そこでMagento。あるんですよね。超簡単にモバイルアプリを作れてしまうのです。予算の多い大手だけが利用できるものではなくなりました。あくまでブログなので極端な宣伝は控えたいのでリンクは貼らないのですが、おそらく日本国内で弊社のみが、買い切り型のECモバイルアプリ構築を提供しています。他社様ですと月額費用などが生じるようで、モールの高い手数料に嫌気がさしているECサイトのオーナー様は敬遠すると思いますが、弊社のプランであれば、(サポートなど不要であればという前提はありつつも)買い切り型のみの取り扱いになるため、売り上げはごっそり誰にも搾取されることなく手にしていただくことができるわけですね(笑)。
宣伝は控えたい、とは言いましたが、え?そのページどこ?という方もいそうなのでやっぱりリンク貼ります(笑)。
めっちゃ宣伝になっちゃいますがご勘弁くださいませ。
でも導入効果はすごいと思いますよ。アプリだからセールや新商品をプッシュ通知できるんです。ライバルもまだまだいないに等しい。今導入いただければ各業界で初のECアプリ提供事業者になれますからね。